オーダーメイドカツラのベースや植え方の例

【2017年10月新しい画像】今回はながいです。
今回は誤解を恐れず毛の結び方やネットの拡大画像を掲載します。ご質問はお気軽にどうぞ!
まずは引き抜きネット!
色々な名前(つむじ・インジェクション・シルク?やらなんやら)で各サイトで表記されてますが、要は結び目が見えないというのが売りで下記画像のようにつむじや分け目などに多く用いられます。ちなみにこのサイトでは呼び名は「引き抜き」で統一します。面倒な場合ベース全部全面これで作ってしまうパターンもあります。引き抜きを使うカツラの場合通常価格より約5000円位多めにいただいてます(一部すごい特殊なのはもっと高くなります)。

どのような仕組みになっておりますかといいますと「引き抜き」というだけあって2重のネットの下側に毛を結んで毛を引き抜いてます。結果結び目の黒い丸いのが見えないということです。下の画像をご覧ください。160倍に拡大してます。

 

見てわかるとおりシングル植毛です。根元など脱色しなくても自然に見えます。さらにこれ、ネットの組み合わせ方は自由です(自由でないところも多いようですが、わたしはお客様のご要望があれば自由にやってしまいます)。ネット3枚重ねるのであればその引き抜きネットの構造は計算上数万パターンとかになりますがよく使われる組み合わせは10通りぐらいです。
あとは改善点といいますかウィークポイントがありますので簡単にご説明します。
1.植えるのが大変なので納期が少し伸びる。これはあまり大した問題ではありません。
2.毛が立ってしまう。ベースがしっかりするのでぺったんこにしたい方には手間です。
3.構造上幅が広いとベースがよれる。ネットの両端でしか2枚のネットが結合されてないのでそんなことがおこりやすいです。
4.奥行きがありカーブしているベースの場合しわが入りやすくなる。Rがきついとある程度はしょうがないのかもしれません。
5.工場の職人さんの技量が反映されやすく個体差で大当たりと外れが出てしまう。手作りなのでしょうがないです。

あとは3重ネットにしてみたりいろんな工夫ができますが、最大のメリットは自然であるということです。そのほかにもメリットデメリットありますが、形やベースの素材やスタイルなどで大きく変わってくるので、その辺はご相談ください。
最後に「引き抜きこそ素晴らしい」っていう意見もありますが、私はそんなことないと思ってます。お客さんのスタイルや好みにあったものが最も素晴らしいということだと思ってます。必要ない人もたくさんおります。

次はナノスキン!
なんだかナノスキンというと薄いポリウレタンをさすことが多いようですが、これもいろんな名前がついてます。そして、ナノスキンてしっかりとした定義が決まっていないように思います。なのでA社のナノスキンとB社のナノスキンが違う!みたいなことがおこりうるようです。これ工場に頼むときに厚さ○○mmで~とか、ポリウレタン○○グラムで~とか頼むのですが個人的にどっからナノスキンなのか曖昧にしかわかってないです。ただ粉末のプラスチックウレタンをポリウレタンに混ぜて薄いのに少し丈夫なのがナノスキン、という考え方でいいのかもしれません。なのでわたしは現物見て似た感じになるように頼んでしまってます。
またあくまでも個人的な感想ですが、ナノスキンて、通気性がない、毛が抜ける、破れやすい、脂吸って固くなってひびはいる、なのにいうほど自然じゃない。メリットはちょっと自然に見せたい人の自己満足用・安心用の商品なのかなって思います。もちろん決して否定しているわけではないです。
厚さを基準に考えますと、例のあのP社のセロハンテープに毛が生えたようなのを張り付けるむかしよくCM してたヘアコ●タ●トがたしか0.03㎜だった気がします。よく作るもので一番薄いのが0.04~0.06㎜の趙極薄タイプ、0.1㎜の薄めタイプ、0.15㎜の中ぐらい、0.2㎜の厚め丈夫タイプ。さらにポリウレタンに繊維を混ぜ込んだ耐久性重視のものとかあります。そしてこれらを単独で使用するのか、ベースの上に貼り付けるのかでも全然感じが違うのです。ナノスキンと呼ぶのは多分0.1㎜までだと思います。さらに料金は約3000円位高くなります。実際問題、1回試してみて気に入れば使えばいい。ダメなら修理して交換。これにつきます。
下の画像は全面ナノスキンで根元脱色の画像です。ナノスキンで根元脱色してくれないところもあるようですが、工場次第です。とても自然です。また、色も透明なものやくすんだ色、黄色がかったものなどあります。

根元を拡大してみました。わかりにくくて申し訳ございません。白髪は無いのですが、脱色しているので色がなく白髪のように見えていると思って下さい。

ナノスキン根元脱色の最大のデメリットは毛が抜けやすい(根元から切れやすい)です。どの程度かは使い方次第ですが、脱色してないところより脱色したところのほうが抜けやすいのは間違いありません。脱色しなくても生え際の毛量を落としたり生え際ラインをまっすぐにしないで蛇行させたり色々なことします。
ナノスキンを使うお客さんの特徴は、レースのフロントが嫌い、もう少し丈夫にしたい、でも厚すぎるのは嫌だ、テープを貼りやすくしたい、接着剤を落としやすくしたい、という人向けです。

次は毛の植え方の種類!
一般的にはシングル植毛、ダブル、トリプル、シングルハーフ、後はAB結び、V植え(V針)、そのほかにもいろんなのがあります。微妙に植え方を変えてもらったりもしてます。お客様によっては、何が違うのか?っていう方も多いようです。
下の画像のは結ぶタイプの植え方でいちばん結び目が小さいものです。160倍の拡大です。シングル植毛とかよりは結び目は小さいです。普通の中国人毛です。ちなみにこの結び方の名前は長い英語表記なのでよくわかってません。「結び目の小さいアレ」って頼んでます。

次がさらに遠目に見た感じです。写真撮った時にうまくいかなかったのと白髪半分以上入っているのでよくわかりません。ごめんなさい。

これは、根元脱色しない、引き抜きとか使いたくない、結び目が気になるから小さくしてほしい、という人向けです。特に毛量をかなり少なくする場合には引き抜きの厚みも気になる!というお客様はけっこういらっしゃいます。
ちなみに比較として普通のシングル植毛の画像とならべてみます。上が「結び目小さいアレ」で下が普通のシングル植毛です。上はフレンチレースにレミーヘアーのキューティクル残してあるものです。よく見ると違いますね。下のほうが一瞬結び目が大きく見えますがそれは私の撮影の技術の問題です。右側の結び目のほうが団子状になっておりちょっと目立ってしまいます。ただどっちが抜けにくいかといえばいくらかシングル植毛のほうが抜けにくいのは結び方の複雑さを見てもわかると思います。ベース素材も上下違ってしまってわかりにくくてすみません。

 
 

結論として何が一番いいのか。それはご本人が気に入ったものが一番なのですが、ご要望を教えていただければおすすめいたしますし詳しく説明させていただいております。
新しい商品が一番ということは絶対にないですし、ある素材を90人がほめたたえても残りの10人には最悪だっていう話も普通によくある話です。
けっこうお安くさせていただいてますしご相談もさせてもらってるのでいろいろ試してみてください。何度もしつこいですがご不明な点やご質問はお気軽にご連絡ください。満足いくお答えができなかったらごめんなさい。
結局使ってみなければ分かんないことはとっても多いです。←結論